意味を喪う

「意味をあたえる」のfktack( http://fktack.hatenablog.jp/ )の小説です。不定期に更新します。

2013/12/26

 ところで、私は当初この話をエッセイのように書き、長さもごく短くするつもりだったが、書き始めてみるとそのような体裁にはならず、だらだら書き続けて今に至る。その、エッセイとして書こうと思っていた部分は途中で脱線して話が変わってしまったので、脱線しなかった部分を以下に書く。

 その話の中では私は小学6年生であったが、書こうとすると私はなぜが小学3年生のような気がしてきて、ひょっとしたら私の記憶違いなのかもしれない。しかし、話に出てくる私は新聞委員会に所属しており、委員会に入れるのは小学5年以降で、私は小学5年の時には保健委員だったので、間違いなく小学6年なのである。

 どんな新聞を書いていたのか、今となっては思い出せないが、私の手がけた新聞は、2年生の教室と保健室の向かいにある柱に貼りだされた。コンクリート製の、とても太い柱であった。

 ある日の休み時間、顧問の女教師から新聞委員は至急視聴覚室へ集合するようにとの放送が流れた。しかしその時私のクラスでは、体育の授業が長引き、休み時間に食い込んだので、私は新聞委員宛の放送を聞き逃した。校庭に向けられたスピーカーはだいぶ古いものだったのでノイズが大きく、また一定以上の音量の音はすぐに割れてしまったのである。

 しかし私はどういうわけか、その情報を体育が終わってからすぐに知り、あわてて着替えて視聴覚室へ向かった。視聴覚室は校舎3階の東側の端っこにあり、私は当時6年3組で3組は西側の3階だったので、それほど離れていなかったので、ダッシュしたら次の授業の1、2分前に到着した。顧問からはどうして早くこなかったのかと怒られた。私は体育の授業が長引いたことを話そうかと思ったが、もし、私の担任とこの女顧問の仲が悪かったとしたら、事態をより悪くすると思い、私は黙っていることにした。私は自分の担任に好意を持っていたのである。

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第1回


2013/12/11 - 西門